様々な研究分野で活用されるDF-01の測定実例をご紹介します。
未来を創る皆様の研究にも、是非ご活用ください。
早稲田大学宇田応之名誉教授、大橋一章教授のグループによって行われた、姫路市書寫山圓教寺の多聞天(重要文化財)の寺院内測定にXRDFが使用されました。 圓教寺蔵多聞天は像高118 cm、ヒノキの一木彫で平安初期の作品と考えられています。
DF-01による分析結果から像全体に施されている赤色の原因物質はベンガラであることが判明し、顔の淵に所々見られる青色は、鉛ガラスの顔料と推 察されました。また、左手に捧げ持つステューパ(多宝塔)には金が施されていますが、XRD測定結果を解析した結果、ステューパ中部の金は金泥で、ス テューパの台座部分の金は金箔であることが判明しました。
したがって、隣り合う部分であっても異なる技法が用いられていたことが科学的に立証されました。
※詳しくは、アグネ出版月刊『金属』(宇田応之他, 金属, 79 (2009) No.1)をご覧ください。
<参考文献>
M. Uda et al., Nucl. Instr. and Meth. in Phys. Res. B 239 (2005) 77-84
書寫山圓教寺
多聞天(重要文化財)
多聞天(重要文化財)