DF-01
活用事例

様々な研究分野で活用されるDF-01の測定実例をご紹介します。
未来を創る皆様の研究にも、是非ご活用ください。

江戸時代に制作されたと伝えられる紫色のガラス器に用いられた材料

東京藝術大学大学院美術研究科の桐野教授のグループにより 江戸時代に制作されたと伝えられる紫色のガラス器に用いられた材料の分析が行われました。 文化財に用いられた材料や制作技法を調べることにより, 文化財資料の修復に必要なデータの収集や保存環境の適正化などに寄与することができます。 この研究では、DF-01を用いたXRD及びXRF測定だけではなく、 分光測定、EXAFSなど多くの分析手法を用いて、 紫色に着色されたガラス器とその上に加飾された「植木鉢に植えられた花」の絵が、 複合的に分析されました。

江戸時代に制作されたと伝えられる紫色のガラス器のDF-01による分析結果
(資料提供 東京藝術大学 桐野文良教授)

DF-01で測定された江戸時代に制作されたと伝えられる紫色のガラス器の銀色部分(茎部)のX線回折(XRD) 結果
(資料提供 東京藝術大学 桐野文良教授)

論文では、検出された化合物を手掛かりに、 加飾の技法について保存科学的な視点から考察されており、 DF-01は、貴重な文化財の保存に役立てられています。

<参考文献> 桐野文良,横山和司,西願麻以,猪狩美貴,土浦宏紀, "江戸時代に制作されたと伝えられる紫色のガラス器に用いられた材料", 日本金属学会誌 82(2), 44-51 (2018).