なぜ点検が必要なのか?
ガス検知警報器は、現場作業員の皆様の安心・安全を守るための機器です。
ご使用いただく上では、性能を維持し、防災・保安上の信頼性を向上するために定期的な保守・点検の実施が極めて重要です。
点検には以下の3種類があります。
【点検の種類】
・日常点検:作業者が作業前に行う目視の点検
・ 1ヶ月点検:作業者が1ヶ月に1回行う警報回路に係る点検(警報テスト)
・定期点検:弊社のサービスエンジニアが保安機器としての性能を維持するため、6 ヶ月に1回行う感度校正などの点検
特に、特殊高圧ガスについては、一般高圧ガス保安規則関係例示基準にて
『特殊高圧ガスに係るガス漏えい検知警報設備の指示値の校正は、6ヶ月に1回以上行うこと』と、義務付けられています。
点検整備を正しく行うことにより、機器の性能・機能を長期にわたり良好な状態に維持することができ、ガス災害からの安全を確保することができます。
点検をしないとどうなるのか?
ガスセンサの感度は、以下の要因により緩やかではありますが劣化する場合があります。
【ガスセンサの劣化要因】
・センサにとって科学的に有害な物質への接触。
・長期使用によるセンサ構成材料の性質変化。
ガス事故や現場作業を止めてしまう事も!
ガス検知器を点検しないと、ガス漏えい時にガス検知器が反応しない場合や、電源投入時にエラーが表示され、安全に作業が行えなくなってしまう可能性があります。
ユーザー点検とメーカー点検で安全性を維持!
点検には、作業者が行う点検と、メーカー等の専門スタッフが行う点検があります。
より高い安全性を維持するためには両者を定期的に実施することが重要です。
点検の種類
【ユーザー点検】
日常点検:作業者が作業前に行う目視の点検です。
1ヶ月点検:作業者が1ヶ月に1度行う警報回路に係る点検
(警報テスト)です。
【メーカー点検】
定期点検:弊社のサービスエンジニアが保安機器としての性能を維持するため、6ヶ月に1度行う感度校正などの点検です。
専門性を伴う点検
ガス検知器は多様で過酷な環境下において、危険なガスから人命を守るための保安機器です。
そのため、信頼性を維持するためのメンテナンスが重要です。
メンテナンスには専門的な知識と経験が必要であるため、ガス検知器の性能を維持するために、弊社のメンテナンスサービスをご利用ください。
【専⾨的な知識が必要な要因】
・ガス検知器は種類により形状や操作方法が大きく異なる
・検知対象となるガスには極めて低濃度・化学的活性が高いものがあり、
ガスの性にあった取扱いが必要
・ガス調整など危険物の取り扱いに注意が必要
点検の項目とは?(例)
ガス検知器の性能を維持し、防災、保安上の信頼性を維持するために、定期的な保守・点検を実施いただく必要があります。
保守・点検の内容は各製品の取扱説明書を参照ください。
以下は点検内容の一例です。
点検項目 |
点検内容 |
日常 点検 |
1ヶ月 点検 |
定期 点検 |
電源の確認 |
電源ランプが点灯していることを確認してください。 |
○ |
○ |
○ |
濃度表示の確認 |
濃度表示がゼロ(酸素の場合は[20.9](vol%))であることを確認してください。
表示がずれている場合、周囲に雑ガスがないことを確認してゼロ校正(エア校正)を行ってください。
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○ |
○ |
○ |
流量の確認 |
流量表示を確認し、異常がないか確認してください。
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○ |
○ |
○ |
フィルタの確認 |
ダストフィルタの汚れ具合や目詰まりがないか確認してください。
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○ |
○ |
○ |
警報テスト |
警報テスト機能を使用し、警報の回路検査を行ってください。
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○ |
○ |
ガス校正 |
校正ガスを用いてガス校正をしてください。
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○ |
ガス警報確認 |
校正ガスを用いてガス警報を確認してください。
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○ |
日常点検:作業前に点検してください。
1ヶ月点検:1ヶ月に1回、警報回路に関わる点検(警報テスト)を行ってください。
定期点検:保安機器としての性能を維持するため、6ヶ月に1回以上の頻度で点検してください。
法的な背景を知る(国内)
定置製品が使用されるガス漏えい検知警報設備においては、点検に関し、高圧ガス保安法関係 法規に以下の通り例示されています。
一般高圧ガス保安規則関係例示基準
23.ガス漏えい検知警報器設備とその設置場所
1.機能
1.8
検知警報設備の保守管理にあたっては、取扱説明書又は仕様書に記載された点検・整備事項に基づき、定期的に点検・整備を行うこと。また、点検・整備の結果は記録し、3年以上保存すること。
1.9
特殊高圧ガスに係るガス漏えい検知警報設備の指示値の校正は、6ヶ月に1回以上行うこと。
1.10
検知警報設備は、1月に1回以上その警報に係る回路検査により警報を発すること及び1年に1回以上その検知及び警報に係る検査を行い正常に作動することを確認すること。
トレーサビリティ証明書について(国内)
ガス検知器を納入するまでの過程で使用した校正ガスや治具、設備は、国家標準と連鎖したものを使用しています。国家標準とトレーサビリティのとれた社内基準器によって校正されていることを証明するための『自己宣言書』としてトレーサビリティ証明書を発行することができます。
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文書名 |
内容 |
a |
トレーサビリティ証明書表紙 |
顧客名、トレーサビリティ証明書対象品の情報、校正の情報 |
b |
ガス検査成績書
※校正にシリンダーガスを
使用した場合
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シリンダーガス供給メーカーが発行している合格書
(シリンダーの有効期限が切れていないもの:一般的に1年)
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c |
トレーサビリティ体系 |
ガス作製に関するトレーサビリティ体系図 |
d |
トレーサビリティチャート |
設備及び測定器に関するトレーサビリティ体系図 |
点検のサービス・
サポート体制
理研計器では、国内外に販売・メンテナンス拠点のネットワークを構築しています。
サービスエンジニアは、定期的にメンテナンストレーニングを受け、認定を受けることで、高品質なメンテナンスサービスの向上と確保に努めています。