プラズマディスプレイパネルはFig.1(a)のように多くの画素が集まってできています。
画素の内部で放電(プラズマ)を起こすと画素が光ります。
このプラズマから誘電体層を保護するために、酸化マグネシウム(MgO)の膜が誘電体層の内側に形成されます。
そして、MgO膜は、電子を放出して、プラズマを発生・持続させる役割もします。
ここで電子を放出しやすいMgOを使えばプラズマを発生させる電圧が低くなります。
これにより電気回路の負担を軽減できるので、コストが削減できます。
MgOはその表面状態により電子放出のしやすさが変わるので、様々な成膜方法や表面処理方法が模索されました。
様々な方法で作成されたMgO毎にパネルを組んで特性を調べていたのでは時間とコストがかかりすぎます。
Fig.1 プラズマディスプレイパネル(PDP)
(a) ディスプレイと画素の関係 (b) 画素の構造
そこで、電子の放出し易さを、仕事関数や計数率として、簡単に定量化できるACシリーズが研究に用いられました。