様々な研究分野で活用されるAC シリーズの測定実例をご紹介します。
未来を創る皆様の研究にも、ぜひ、お役立てください。
燃料電池用白金代替触媒の開発
横浜国立大学のグリーン水素グループの石原博士らは、タンタリウム酸化物をベースにした非貴金属燃料電池電極触媒を開発しています。
そして、これら非貴金属電極触媒のイオン化ポテンシャルを測定し、その結果をElectrochimica Acta誌に報告しました[1]。
白金は燃料電池の電極触媒材料として注目を浴びていますが、非常に高価であるため、白金の代替品の開発が急務になっています。
そこで石原博士らは、Ta-CN材料に着眼し、酸素雰囲気で高温処理して、触媒性能の向上に成功しました。
またACシリーズを用いてそれら材料のイオン化ポテンシャルを測定しました。
その測定の結果を電極触媒の性能と比較したところ、イオン化ポテンシャルと触媒性能との間に相関関係があることが分かりました。
このように、ACシリーズは最前線の燃料電池材料開発に貢献しています。
Fig.1 電極材料のイオン化ポテンシャル測定 [1]
Fig.2 電極材料のイオン化ポテンシャルと酸化還元電位との関係 [1]
[1] A. Ishihara, M. Tamura, K. Matsuzawa, S. Mitsushima, K. Ota,
Tantalum oxide-based compounds as new non-noble cathodes for polymer electrolyte fuel cell,
Electrochimica Acta, 55(2010), 7581-7589;